生命科学(生物)とは
 
 「21世紀は生命科学の時代」だと言われている。これは19世紀に現在使われている化学物質が発見されたので,「19世紀は化学の時代」,20世紀には物理によって宇宙から量子までの物質と現象の理が明らかにされ,現在の工業化社会の発展に寄与したので,「20世紀は物理の時代」のと対比して言われているようだ。

 では,なぜ,21世紀が生命科学の時代と言われるのであろうか。有史以来,人類は「生命とは何か」についてずっと問い続けてきたが,生命についての知識は,20世紀になるまで本当に理解するのは困難であった。しかし,1953年ワトソンとクリックによる「DNAの二重らせん構造」の発表によって,遺伝子の本体と遺伝子の複製のメカニズムがわかり,生命科学ばかりでなく人類に大変革をもたらした。これには,それまで発展してきた物理や化学を土台として,生命についても物理と化学の言葉のよって理解することが可能になったためである。そして,ヒトを含めた生物のもつ遺伝情報やゲノムの解読の進展のより,生命科学は,生物学,医学,薬学,農学などの生命科学の領域ばかりでなく,工学,法学,経済学,理学などの他の学問領域にまで影響を与えている。

   私たち,プリパス生物科としては,さまざまな分野に影響を与える,分子・細胞・個体・種および生物圏から知る生命のメカニズムである「生命科学」という観点から授業を行っています。