中学数学への接続について[最終更新日:2009年12月17日]
Q:算数仮面は中学数学への接続を意識されているということですが,もう少し教えて下さい。
A:小学校や中学受験の場で教わる内容の中には,中学進学後に役立たないようなことや,なかには否定されてしまうようなことが含まれています。あるいは,中学受験の学習のなかで妙なクセを身につけてしまうことで,中学進学後に苦労してしまうような例があります(たとえば予習をしないで講義に出席するクセがついてしまうなど)。つまり,小学校・中学受験の学習方法のなかに,学力低下への布石が着々と仕込まれているおそれがあるのです。こういったことを防止しようという基本姿勢を,中学数学への接続と表現しています。詳細は後述します。
Q:授業の際に円周率について3.14ではなくPi(パイ)を使うのはなぜですか。
A:いや,3.14を使わないわけではありません。ただ,これを「円周率を3.14とする」と言わずに「円周率の近似値として3.14を使う」と言っています。受験という観点からみると,問題解決の途中段階で3.14を何度も書いて計算をしても,無駄が多いのです。無駄なこと(必要のないこと)をやっているから,計算間違いをしたりするのです。そういうことを防ぐために,「途中経過は真の値を用い,こたえを出すときだけ近似値を用いる」ということを教えています。
Q:授業では文字式も使われているようですが,どのような考え方を持っておられるのですか。
A:小学生に対して文字式や方程式の使い方を教えることについて,批判的な見解があることは承知しています。算数仮面は,文字式や方程式を使うことで,単なる中学数学の先取りをしているわけではありません。実際のところ「還元算」と分類されている問題は,要するに「1次方程式の解法」に他ならないわけで,x(エックス)と書いても□(しかく)と書いても,本質は変わりません。また,上位校の中学入試問題の中には,基礎的なレベルながら「連立方程式の解法」を要求しているとみられる出題もあります。したがって,算数仮面は,それに対応できる限度で,文字式や方程式を授業の説明の中に取り入れています。
ただし,方程式の解法は,それに過度に依存してしまうのは有害です。たとえば「つるかめ算」「通過算」など非常に多くの文章題・特殊算は,中学以降は文字をおいて「二元一次連立方程式」に帰着させてしまうと,機械的に解くことができます。小学生がこのような機械的解法を学んでも,グラフィカルなイメージが身に付かないので,学んだことが無駄になってしまいます。現に,上位校の中学入試では,「連立方程式で解こうと試みると非常に煩雑な計算になるが,算数の方法でグラフィカルに解くとスッキリ解ける」というタイプの出題を(おそらく意図的に)しています。
以上をまとめますと,算数仮面教室では,
(1)文字式そのものは積極的に使っている,
(2)方程式の解法は,機械的に処理をしても差し支えない問題に限定して使っている,
ということになります。
Q:普通の4科で通っている塾の先生の解き方・教え方と,算数仮面の教え方が異なる点があるように思われるのですが。
A:普通の塾では,生徒さんの学力のバラツキが大きいことだけでなく,講師の力量の格差も大きいことから,教務管理上の事情からも,一定の方向性をもった解き方・教え方に収束させていくことが,経営のうえで得策となっています。多店舗展開をするファストフード店の労務管理と同じようなものです。そうしますと,必然的に,スタンダードでオーソドックスな方向を向くことになります。
しかし,オーソドックスな方法が,真に学力をつける方法とは限らないのが,困ったところです。文科省の学習指導要領に代表されるように,「あれを教えてはいけない,これを教えてはいけない」という縛りのなかで,正しい方法や考え方が中学受験業界に根付いていないような場面が散見されます。こうした「縛り」(=規制)は,「おちこぼれをつくらない」という目的の,学校空間を統治するのに都合がよいという事情で採用されているものであり,学習・学問としての正しさとは無縁のものです。一時,有名になった「円周率は約3として取り扱うものとする」というのも,その一例です。
以上のような考え方に基づき,算数仮面教室では,中学以降の数学につながる正しい考え方を身につけてもらうような授業をしています。ご理解いただければ幸いです。
Q:算数仮面に習った方法で解くことで,中学受験の際に不利益を受けることはありませんか。
A:大丈夫です。一見すると「異端」に見えるものが,実は正しかった,などという例は歴史上もたくさんあります(宗教裁判,「それでも地球は回る」など)。ものごとの正しさを多数決で決めるなどということは,できないのです。
算数仮面が教えている方法は,学習・学問の見地からみて「正しい方法」ですから,入試の答案として堂々と書いて下さい。算数仮面方式の答案にバツをつけることができる中学教員はいないはずです。
Q:中学に進学したとき,算数仮面から学んだことから,どのような効果が期待できるのでしょうか。
A:算数仮面は「受験算数業界の方言」は教えません。「数学の国の標準語」を教えていますから,中学以降の数学の学習に,スムーズに接続することができます。
FAQのトップへ
算数仮面トップへ