殿堂入りの算数 [最終更新日:2009年9月28日]

「殿堂入りの算数」vol.1 数量・特殊算編 がリリースされました。
「殿堂入りの算数」vol.2 図形編 がリリースされました。
著者:初代算数仮面・二代目算数仮面共著

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■はじめに
 難関中学を目指す受験生諸君,そして保護者の皆さん,算数仮面の「殿堂入りの算数」の世界へようこそ。最初に,本書を執筆するにあたっての算数仮面の考え方を記しておこう。本書「殿堂入りの算数」とは,中学入試の算数の問題の中から,時間をかけて取組むに値する良問を集めて解説・解題する書籍である。問題の選定にあたっては,単に難問であるとか出題頻度が高いといった見地から選ぶのではなく,もっと高い理想を持っているのだ。選定の基準を具体的に挙げるなら,(1)中学以降の学習につながるテーマを持っていること,(2)その問題に取組むことで学力・思考力を高める効果が期待できること,(3)数学につながるバックグラウンドをもつこと,といった内容となる。このような条件を満たす良質の問題を選定するだけでなく,それに取組むことは,中学入試の場に留まらず,中学・高校での学習や大学入試に向けて連続する「知的営み」であることを知ってもらいたいというのが,算数仮面の願いである。そこで,こうした連続性があることを実証するために,大学入試の問題も取り上げてみることにした。これは,類書に全くない,先進的な試みであると考えられる。本書に収録された問題は,知的営みの対象として価値ある問題たちなので,本のタイトルにも,その高貴さを伝えるような工夫をしておこうと考えた。そうして出来上がったのが,本書「殿堂入りの算数」である。「vol.1 数量・特殊算編」と「vol.2 図形編」の各々につき,10のテーマを選定して,解説を加えた。高級だが分かりやすい説明・解説が出来るよう,算数仮面は日々の研鑽を積んでいる。算数の分野における中心的な機能をもつ問題を収集した場所として,本書が「殿堂」の名にふさわしい書物となるよう,執筆をしてきた。算数仮面は,次代を担う小学生諸君の,意欲的な挑戦を待っている。

平成21年5月
初代 算数仮面 & 二代目算数仮面

■算数から数学への架橋
[] 難関校とそれ以外の学校における,算数入試の決定的な違い
 難関校と中堅校の中学入試問題には,明確な問題の質の違いが見られ,これらの間には大きな境界線がある。君たちが難関校を目指したいのであれば,まず,このことを知ったうえで,難関校の要求を踏まえた学習を始める必要がある。
 中堅までの学校の入学試験(算数)は, 典型問題 といわれるパターンに当てはまる問題が出題されており,その実質は 基礎力 という計算力や処理力が問われているにすぎない。したがって,対応策としては,典型問題のパターンを反復学習で詰め込むことにより 基礎力 を高めることで足りる。
 それに対して,難関校の入学試験は,年々進化(深化)しており,パターンや単元の壁を取り払う方向に向かっている。進学塾で単にパターンを覚えて来たような生徒を採りたくないと考えているからだ。だから,出題は年々変化している。では,このようなパターンに当てはまらない問題を出題することで,どのような力を問おうとしているのか。それは,
試験会場にて初見で問題文の主旨を理解できる読解力や分析力などの 論理力 
解答への方針を立てる柔軟な思考力や豊かな 発想力 
今までの経験や解法道具を使いこなして解答するといった 応用力 
といった総合的な力なのだ。
 このような傾向への対応策として,典型問題のパターンを細分化し,問題量を増やして経験を高めるという方向性も考えられる。しかし,実際のところは,限られた受験勉強期間と小学生の頭脳の容量では限度がある。それよりも現実的な対応を考えよう。算数の問題との闘いの成否は,問題文に隠されているポイントや核心が見抜けるかどうかにかかっているのだ。
 算数仮面は,このように,問題の核心部分を突いていくような力を育てることをモットーとしている。

[] 中学入試は,出題者にとって,大学入試のリハーサル
 入試の場で,出題者である中学校の先生が,受験生の君たちに期待しているものは何だろうか。試験という闘いに立ち向かうためには,相手の出方を知ることが必要なのだ。
 その一つとして,難関校であればあるほど,入学後にも役立つ思考力が問われているといえよう。それは,学校側も先を見据えており,難関大学の入試にも対応できるような力のある生徒をほしがっているからだ。実は,出題者は,中学入試を使って大学入試のリハーサルをしているのだ。
 そもそも,算数の問題を出題している先生方は,日常的には中学生・高校生に対して指導した結果が,大学への進学実績として世間の評価にさらされるプレッシャーの中に生きているものだ。したがって,日頃から大学入試を意識して生徒たちの指導をしているだけに,出題する中学入試では,東京大学をはじめとした難関大学の入試問題が元ネタになっていることもあるのだ。中学入試問題には元ネタが多々あるものだが, 覆面の貴講師 こと算数仮面は,こうした大学受験事情の全てを知り尽くしている。この本でその証拠を示そう。
 このような考えで選定した問題が,本書「殿堂入りの算数」に,びっしりと詰まっている。殿堂入りの問題にアプローチすることで,その先につながる数学の世界に,橋を架けることができるのだ。

[] 算数の奥深い世界から,数学への橋が架かる
 中学入試問題の算数には,奥深い世界が広がっている。それは,数学の世界にひけをとらないものだと言ってよい。小学生の手持ちの技術が少ない中で,いかにして難問を打ち倒すか。難関校の出題する殿堂入りの問題との闘いの経験を重ねることで,一問ごとに,大きく強くなる自分と出会えるはずだ。
 算数仮面は,君たちにこの本を通じて,薫陶を授けたい。とりわけ,本書が中学入試で必要とされている4つの力である 基礎力 ・ 論理力 ・ 発想力 ・ 応用力 が受験生諸君に備わる手助けとなることを願っている。この4つの力を備えて,中学以降にひろがる数学の世界で,鮮烈なデビューを飾ってもらいたい。
 挑戦者よ,来たれ!

初代 算数仮面 & 二代目 算数仮面

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